子育てが一段落し、仕事の区切りも見えてくる50代・60代は、これまで当たり前だと思っていた暮らしの形を、あらためて見つめ直す時期でもあります。長年連れ添ったパートナーとの関係、住み慣れた家、たくさんのモノや思い出——それらとどう向き合っていくかは、人によって答えが大きく異なるテーマではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、Instagramで注目を集めた著者ハナ子さんによる『60代、ひとり暮らしのはじめかた ぜんぶ捨てて、人生後半が輝きだした』(KADOKAWA、2025年3月11日発売)です。61歳で結婚生活に区切りをつけ、札幌から東京へと移り住み、ひとり暮らしを始めた著者の10年にわたる歩みがつづられています。なお、今回の記事は実際に本を通読した書評ではなく、出版社の公式紹介や著者プロフィールなど、公開されている一次情報をもとにまとめたご紹介であることを、あらかじめお伝えしておきます。
目次
どんな本なのか
本書は、断捨離の記録を発信するInstagramの投稿がきっかけで注目を集めた著者が、61歳で新しい暮らしを始めるまでとその後の10年を振り返るエッセイです。出版社の紹介によると、モノだけでなく人間関係や思い出といった「目に見えないもの」も含めて手放していく過程が、率直な言葉でつづられているとのことです。フォロワーが1か月で15人から7万人に増えたという投稿のエピソードも紹介されており、多くの人が著者の経験に自分自身を重ねていることがうかがえます。

「捨てる」という視点で書かれた本
本書の軸になっているのは、「捨てる」という行為を通じて人生後半を軽やかにしていくという考え方です。単なる片づけ術ではなく、家族との関係や過去の記憶といった、簡単には整理できないものにも向き合う姿勢が描かれています。ミニマリズムという言葉だけでは語りきれない、暮らし方そのものを問い直す視点が、本書の特徴といえるのではないでしょうか。
ひとり暮らしを考えるときに整理しておきたい三つの問い
50代・60代でひとり暮らしという選択肢を考えるとき、頭に浮かぶ問いは人それぞれかもしれません。たとえば、次のような点は多くの人に共通するのではないでしょうか。
- 今の住まいやモノを、この先どこまで持ち続けたいか
- 実家や持ち家をどのように整理し、住まいを移すか
- ひとりで暮らす時間を、どのように前向きな時間に変えていくか
本書はこうした問いに明確な答えを示すというよりも、著者自身の体験を通じて、一つひとつの選択にどう向き合ってきたかを伝える内容になっています。

家族や周囲との関わりをどう保つか
ひとり暮らしというと、周囲との関係が希薄になるイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし出版社の紹介文からは、家族との関係や実家じまいといったテーマにも触れられていることがわかります。ひとりで暮らすことと、家族や友人とのつながりを保つことは、決して相反するものではないという視点も、本書から読み取れる大切なメッセージの一つといえそうです。
読み終えたあとに、何から始めるか
本書を通じて感じられるのは、大きな決断は一度にすべてをやり遂げる必要はなく、小さな「手放す」の積み重ねから始めてもよいということかもしれません。まずは身近な引き出し一つ、写真一枚から始めてみることが、次の一歩につながることもあるのではないでしょうか。
人生後半の暮らし方に決まった正解はありません。本書をきっかけに、ご自身にとっての「ちょうどよい暮らし」について、少し立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
書誌情報

- 書名:60代、ひとり暮らしのはじめかた ぜんぶ捨てて、人生後半が輝きだした
- 著者:ハナ子
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2025年3月11日
- 判型・ページ数:四六判・192ページ
- 定価:1,650円(本体1,500円+税)
- ISBN:978-4-04-897871-2
参考資料
情報確認日:2026年9月14日
