60歳からの「使うのが怖い」を手放す――『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』

年金や退職金を受け取る時期が近づいてくると、これまで「貯める」「増やす」ことに向けてきた意識を、今度は「使う」方向にも切り替えていく必要が出てきます。ところが、長年かけて積み上げてきたお金を実際に取り崩していく場面になると、「減っていくのが怖い」「どのくらい使って大丈夫なのか分からない」という不安を抱く方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、ファイナンシャルプランナーの横田健一さんによる『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)です。60代以降の資産運用、退職金や年金の受け取り方、そして資産を長持ちさせる取り崩し方まで、ライフプランニングと投資の両面から解説した一冊です。なお本記事は、実際に通読した書評ではなく、出版社の公式情報をもとにした紹介であることを、あらかじめお伝えしておきます。

書斎で資産計画の本を読みながらメモを取る60代男性

どんな本なのか

本書は、60代以降の「お金の回し方」をテーマにした実用書です。著者の横田健一さんは、野村證券でデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験したのち、2018年に独立したファイナンシャルプランナーで、現在は株式会社ウェルスペントの代表取締役を務めています。CFP®や1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)などの資格を持ち、「ファイナンシャル・ウェルビーイング検定」の監修も手がけているそうです。

本書の目次は、「60歳からのお金の回し方とは?」「60歳からのインフレ負けしない運用法」「60歳からの正しい資産取り崩し術」「定年後いつまでどう働く?」「損しない退職金の受け取り方」「年金の正しい受け取り方」「資産取り崩し早見表」という構成になっており、60代を迎える人が抱きやすい疑問に、順を追って答えていく形になっているようです。

「増やす」と「使う」を両立させる視点

本書の軸になっているのは、資産を貯め込んだままにするのでも、不安に任せて切り詰めるのでもなく、「増やしながら使う」という考え方のようです。60代以降は、物価の上昇(インフレ)に資産の価値が負けてしまわないよう運用を続けつつ、必要な分は計画的に取り崩していく。この「両立」という視点は、定年後の暮らしを考えるうえで、多くの方にとってヒントになるのではないでしょうか。

特に、資産の取り崩し方について早見表のような形で整理されている点は、感覚ではなく具体的な目安を知りたいと考える読者にとって、実用的な内容になっていそうです。

退職金と年金、「もらい方」で変わること

本書では、退職金の受け取り方と年金の受け取り方についても、それぞれ一章を割いて解説しているようです。退職金は一括で受け取るか、分割で受け取るか、あるいは年金と組み合わせるかによって、税金や手元に残る金額が変わってくることがあります。また年金についても、受け取り始める年齢(繰り上げ・繰り下げ)によって、生涯で受け取る総額や毎月の金額が変化します。

こうした制度は複雑で、何となく「損をしないように」と思っていても、実際にどの選択が自分に合っているのかを判断するのは簡単ではありません。本書は、そうした判断のための知識を、ライフプランニングの専門家の視点から整理してくれているようです。

リビングの窓際で将来の暮らしについて話す60代夫婦

定年後の働き方という選択

本書にはまた、「定年後いつまでどう働く?」という章も設けられているそうです。60代以降も働き続けるかどうか、どのくらいの収入を目指すかによって、資産をどのくらい取り崩す必要があるかも変わってきます。お金の話と働き方の話は、別々に考えるよりも、セットで考えたほうが現実的な計画に近づけるのかもしれません。

完全にリタイアするのか、短時間でも働き続けるのか、あるいは地域やボランティアで新しい役割を見つけるのか。選択肢はひとつではなく、本書はその判断材料となる情報を提供してくれる一冊のようです。

この本が50代・60代に向いている理由

本書は、60歳という節目を具体的に意識しながら書かれている点が特徴のようです。50代のうちに読んでおけば、60代を迎える前の準備として活用できますし、すでに60代に入っている方にとっても、今の資産の持ち方や取り崩し方を見直すきっかけになりそうです。お金の不安は、情報が整理されていないことから生まれる部分も大きいように思います。本書のような一冊を手がかりに、自分なりの「お金の回し方」を考えてみるのも良いかもしれません。

人生後半のお金との向き合い方に、絶対の正解はないのかもしれません。それでも、専門家の整理した知識に触れることで、漠然とした不安が少し具体的な見通しに変わることもあるのではないでしょうか。気になった方は、まずは書店や図書館で本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

書名:増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」
著者:横田健一
出版社:KADOKAWA
発売日:2025年4月30日
判型・ページ数:A5判・232ページ
定価:1,760円(本体1,600円+税)
ISBN:9784046073716

参考資料

情報確認日:2026年10月12日

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この記事の編集・執筆

人生100年時代を迎えた現代において、50代以降のライフスタイルをより充実させるための提案や情報を発信。